地域ケア会議の型(テンプレート)の作り方※資料プレゼント
前回は、地域ケア会議の理解を劇的に速めるには
「メモを取って、まとめて、定期的に改善する」
事が重要となることをお話しました。
つまり、地域ケア会議の型(テンプレート)を自分で作ることが一番の近道になるということです。
今回は、地域ケア会議の型(テンプレート)の作り方と、どうしても時間が無い方のために私がまとめたテンプレートのデータをお渡ししたいと思います。
地域ケア会議の型(テンプレート)の作り方
地域ケア会議の型(テンプレート)を作るには、まず、長寿開発センターが制作された「地域ケア会議運営マニュアル」を読みます。
→ http://www.nenrin.or.jp/regional/pdf/manual/kaigimanual00.pdf
200ページ以上ありますが、型(テンプレート)を作る際に利用するのは
「第2章 地域ケア会議の構築・運営」の中にある
「第2節 地域ケア会議の運営」の「1.個別ケースの検討を行なう地域ケア会議」の部分となります。
具体的なページは42~60ページの合計18ページとなります。
項目は以下の通りです。
(1)ケースの選定の流れ
(2)地域ケア会議で検討するケース
(3)個人情報の保護について
(4)開催日程と頻度
(5)会議参加者
(6)事前資料
(7)会議の流れ
(8)終了後の運び
(9)個別ケースの検討を行う地域ケア会議の注意点
上記の項目を見ていただければわかると思いますが、具体的な地域ケア会議の流れが明確に書かれていることがわかりますよね?
これら地域ケア会議に関する具体的な手法が時系列に書かれているので、このマニュアルの流れどおりに行なえば、一定レベルの地域ケア会議が開催できるようになります。
「マニュアルに書かれていることと現場の実情は違うよ・・・」
と頭からマニュアルという言葉に拒否反応を示す方もいますが、それは残念ながら努力不足であると思います。
だって、このような基本の部分を学ばずに、これまでの経験に頼りきっただけの会議しかしれこれなかった結果、悩んで私の文章を読まれているのだと思います。
ここは一度初心に返り、一から地域ケア会議を学び、自分でまとめるという作業をしてみてはいかがでしょうか?きっと、見る景色が大きく変わります。
とはいえ、たった18ページの分量です。この18ページさえ学習すれば、地域ケア会議の悩みがなくなると思えば、楽な作業ではないでしょうか?
地域ケア会議の型(テンプレート)プレゼント
とはいえ、最初に申した通り、どうしても時間が無い方のために、私がまとめた地域ケア会議の型(テンプレート)をプレゼントしたいと思います。
本当であれば、ゼロから自分自身の手で作ることが最もあなたの力になるのですが、まとめ方自体がわからないという方の場合、最初の一歩を踏み出すことが出来ずに、結果、何もやらず仕舞いという事になりかねません。
できれば、そのままテンプレートをダウンロードして、見て満足!というものではなく、解答例として自分のまとめたものと比べてもらえたらと思います。
エクセルとPDF形式を準備しました。編集などしたい場合はエクセルで、そのまま印刷して活用したい場合はPDFを利用して頂くと良いかと思います。
それではプレゼント受取りは下記のリンクをクリックして下さい。
※クリックするとダウンロードが始まります。
地域ケア会議の型(テンプレート)の次に必要な準備
いかがだったでしょうか?私が作成したテンプレートがあれば、地域ケア会議の最低限の基礎の土台は築くことが出来たと思います。
そこで、全体像を理解できた後に行なう事は何か。
その具体的な内容は、地域ケア会議で使用する様式を作成することとなります。
次回は、地域ケア会議の様式についてお話をしたいと思います。
効果的な地域ケア会議を行なう為の「違いをもたらす違い」
前回は、私が地域ケア会議を効果的に開催できるようになったきっかけをお話しました。
地域ケア会議の広域支援員の先生から学びを得て、自分自身に欠けている所のアドバイスを受けることで本質の理解が出来たということになります。
その後、私自身も地域ケア会議の広域支援員として活動を行なわせて頂くようになり、会議を開催することが目的である現状から抜け出せない地域包括支援センターには何が問題なのかわかるようになりました。
地域ケア会議に頭を悩ませている市町村や地域包括支援センターの悩みは共通しており、基礎の土台が出来ていないという事です。
逆を言えば、この基礎の土台が出来さえすれば、劇的に地域ケア会議の質が高まるという事を私は経験を通じて知っています。
今回は、地域ケア会議に頭を悩ませている市町村や地域包括支援センターが、効果的な地域ケア会議を行なう事が出来るようになる基礎の土台を作る「違いをもたらす違い」についてお話をしたいと思います。
効果的な地域ケア会議が出来る「違いをもたらす違い」
地域ケア会議を行なう事が目的になっている場合の多くが、
・何となく事例を選び
・とりあえずサービス担当者会議よりも豪華な参加者を呼ぶ
・会議は当日の一発本番勝負で行き当たりばったり
この3つの要件を備えていることと思います。
正直、このように事例を選ぶ基準も不明瞭で、根拠がしっかりとしていない地域ケア会議を開催すると、会議当日に参加者の意見が食い違いぶつかり合い、挙句の果てには主催者が参加者にクレームを言われて終わる事もあるかと思います。
その結果、地域ケア会議という言葉を聞くと体が拒否反応を示す。そのような悪循環に陥る所が多いようです。
それでは、何をどうすれば良いのか?
答えは、「型(テンプレート)」を作ることです。
地域ケア会議をどのように開催するのか、会議開催前の準備段階から、実際の会議開催の流れ、そして会議開催後の処理について、何をどのようにすれば良いのか、全ての行動に基準と根拠をつけていくことが重要です。
そのような型(テンプレート)があれば、会議を重ねていくうちに、
「もっとこうした方が良い」
「効率が悪いのでこの手順は外そう」
と、型(テンプレート)が進化していきます。
私自身、地域ケア会議の広域支援員の先生から学びを得た後、すぐに手順を箇条書きで書き出し、行動は何をすれば良いのかまとめ、先生に見て頂き最初の型を作り上げました。
結果的に自分自身で学んだことを文字にしてまとめることで、地域ケア会議の理解が驚くほど早くなりました。
そして、最初に作った型(テンプレート)は、バージョンアップを重ね、市町村で使用されるものとなり、最終的には長崎県の地域ケア会議ガイドブックの参考資料として活用されるようになりました。
私が型(テンプレート)を作る理由
私自身、物覚えが悪いと自覚していて、社会人になって早い時期から学んだことは自分なりにまとめて体系化するというクセを持つようになりました。
私の周りには天才的に仕事の飲み込みが早く、先輩からの教えをメモ一つ取らずに身に着ける方が多くいましたが、半年、一年と時間を重ねるごとに彼らは同じ所でミスを繰り返している様子を何度も見てきました。
私は飲み込みは遅いのですが、逆に半年、一年経つ頃には彼らと同じように仕事が出来るようになり、逆にミスがなくなるので、わからないことを聞かれ頼られるようになりました。
これは、自慢でもなんでもないのです。ただ、彼らと私の違いは
「メモを取って、まとめて、定期的に改善する」
ただこの作業を行なうかどうか。それだけなのです。
最初はまとめるのに時間はかかりますが、一度、土台さえ作ってしまえば、後は気付いた点を修正していく。時間もそうかからないし、わからない時にはまとめた型を見直す。それだけで業務が効率化するのです。
私はこの基礎の部分である型(テンプレート)を作る事が最も仕事効率を高める「違いをもたらす違い」であると思っています。
地域ケア会議の型(テンプレート)を作ろう!
効果的な地域ケア会議を行なう為の「違いをもたらす違い」をまとめると、
「メモを取って、まとめて、定期的に改善する」という事になります。
それは、地域ケア会議も同様です。
地域ケア会議には長寿開発センターがインターネットで無料で提供されている
「地域ケア会議運営マニュアル」があります。
→ http://www.nenrin.or.jp/regional/pdf/manual/kaigimanual00.pdf
実はこのマニュアルには具体的に地域ケア会議を開催する際に、何をどうすれば良いのかきちんと書かれているのです。
その内容を自分自身で読み取り、メモに書いてまとめる。まずはそこから始めると劇的に地域ケア会議の理解が進みます。
とはいえ、そのような時間が無い!どうやってまとめたらいいのかわからない!
という方がいると思います。
その悩みを解決できるように、私がまとめた資料を次回プレゼントしたいと思います。
ぜひ、次回のメールはお見逃し無くご確認下さい。
地域ケア会議を効果的に開催出来るようになったきっかけ
昨日は、地域ケア会議の基礎を事例を踏まえてお話しました。
地域ケア会議の目的、5つの機能、開催規模という、なかなか理解することが難しいところですが、事例を踏まえてお話をしたことで、理解が進まれたのではないでしょうか?
もし、わからなかった事があったりしたら、お気軽にご連絡下さい。
昨日も述べましたが、私自身、地域包括支援センターの所長として地域ケア会議を実践し始めた最初の1年半は、地域ケア会議の本質を理解できておらず、「会議をする事が目的の会議」をしていた時期がありました。
ですが、効率的に地域ケア会議の5つの機能を発揮できるようになりました。
全ての物事にはきっかけがあるように、私が地域ケア会議のを効率手的に出来るようになったのにも、きっかけがありました。
本日は、私がブレイクスルー(突き抜ける)したきっかけについてお話をしたいと思います。
地域ケア会議広域支援員の支援
地域ケア会議が法的に位置づけられた後から、地域ケア会議のマネジメント強化事業として、市町村の地域包括支援センターに都道府県が地域ケア会議について専門的な見識を有する方を、「地域ケア会議広域支援員」として派遣する事業が行われています。
※都道府県により取組みは様々です。
幸いなことに、私が地域包括支援センターで勤務し始めた2年目の頃に、県及び広域支援員のバックアップを受けて地域ケア会議の具体的な手法を学ぶ機会を得ることができました。
合計4回の地域ケア会議についての講習及び、実際に地域ケア会議を開催した様子を見て頂き、直にアドバイスをもらうというものでした。
この広域支援員の方は、長崎県内の他市町村の中で飛びぬけた実績を持つ地域包括支援センターの所長で、机上の空論ではなく、実践的で現場目線ですぐに役立つようなアドバイスを受けることができました。
私自身、長寿開発センターが作成した200ページほどある「地域ケア会議運営マニュアル」を一応は読んでいたのですが、その本質を知ることが出来ていなかったと痛感しました。
※地域ケア会議運営マニュアル
→ http://www.nenrin.or.jp/regional/pdf/manual/kaigimanual00.pdf
受験勉強や資格試験勉強でもそうですが、テキストを見るだけでは、本質的な理解をする事ができません。
やはり、直に先生から教えを受け、わからない所をその都度に回答してもらう、自分が実践している姿を見てもらい、自分ではわかる事ができない「自分に欠けていること」の指摘を受けることが、最も最短で学びを自分の血肉にする事ができるんですね。
私は比較的に早い段階で、地域ケア会議をマスターした広域支援員の方から学ぶ機会を得たことで、ただ会議を開催することが目的だった地域ケア会議が、
自分たちが理想とする地域包括ケアシステムを実現する為のツールとして「やらされてる」立場から「主体的に利用する」立場になれたのだと思います。
翌年度、私自身が地域ケア会議広域支援員になりました。
地域ケア会議広域支援人のバックアップを受けた結果、地域ケア会議の具体的な手法及び独自の書式などを作り、佐世保市にある他の8つの地域包括支援センターに研修会を行ない、情報共有し市レベルでの地域ケア会議のレベル向上を図りました。
また、その取組みなどを評価していただき、翌年度は私自身が長崎県の地域ケア会議広域支援員となり、他市町村へ助言をさせて頂きました。
私が地域ケア会議広域支援員になり気付いたこと。
私が広域支援員になった後、地域ケア会議についての勉強会を数回受講しました。
その際に気付いた事があります。
「基本的な座学を聞くだけでは、本質を理解できず、実践力も向上しない」
この事実に気付いたのです。
いくら、座学の部分を話しても「学びになった(気がする)なぁ」という所で終わってしまい、「で、具体的な実践方法はどうすればいいの?」という根本的な疑問が出てきます。
そんな疑問を持っている時に「私の市町村ではこのような成功事例があります」という成功事例の紹介を行い終わってしまう勉強会がとても多いのだということに気付きました。
よその進んだ市町村の成功事例を参加者は聞きたいわけではなく、
「自分たちの市町村ですぐに実践できる具体的な手法が学びたい!」
その本心を他の参加者から聞きました。(それは私が思っているよりも多く)
そのような意見を聞くと
「私の所には具体的な開催予定表とテンプレートが揃っているのにな」
そう思っていました。
丁度、地域ケア会議広域支援員としてアドバイスをさせて頂いた市町村で、私が作成した開催予定表やテンプレートを提供し、実際に地域ケア会議を開催して頂きました。
結果・・・
「地域ケア会議の本質が理解できたと思います」
という喜びの声と、実際に地域づくりが始まったという結果報告を受けました。
やっぱり、地域ケア会議の開催に悩んでいる担当者は、具体的なノウハウや書式を求めている。その考えが間違っていないことを確信しました。
地域ケア会議を自らの力にする「違いをもたらす違い」
このように、地域ケア会議を効果的に開催できるようになるには、学びを自分自身の血肉に変えることが必要となります。
そこで、私が地域ケア会議の手法を学んで1年後には他市町村へ広域支援員としてアドバイスが出来るようになった理由は何かな?と考えていました。
そうすると、私は他のところが行なっていない、あることを行なっていたという
「違いをもたらす違い」を発見しました。
それでは、次回は、地域ケア会議を自分の血肉にする「違いをもたらす違い」についてお話をしたいと思います。
【まとめ】事例で地域ケア会議の基礎を理解する
前回は、地域ケア会議はとても素晴らしい環境であるというお話をしました。
「未だに地域ケア会議を開催すること自体を目的に地域ケア会議をしています」
「どうすれば、地域づくり・資源開発機能を発揮する会議を開催できますか?」
と現在の地域ケア会議に不安を抱いている方が多くおられるようです。
まず必要になるのは、地域ケア会議の基礎の部分を理解することが一番の近道となります。
以上の点から、今回は、「地域ケア会議の基礎を理解する」事をテーマにお話したいと思います。
地域ケア会議の基礎1 目的
地域ケア会議の目的は厚生労働省から下記のように目的が書かれています。
地域ケア会議は、高齢者個人に対する支援の充実と、それを支える社会基盤の整備とを同時に進めていく、地域包括ケアシステムの実現に向けた手法。
出典:厚生労働省
こちらの文面を良く見てみると、2つのことを実現する必要があることがわかります。
①高齢者個人に対する支援の充実
他職種協働による個別ケース(困難事例等)の支援を通じて、高齢者個人に対する支援の充実を図ることになります。
身近な例でたとえると、あなたの担当者に認知症で徘徊をする高齢者がいるとします。
その高齢者の徘徊を予防する取組みや、実際に徘徊をしてしまった場合の取組みがあなたの地域で無かったとします。
その場合に、専門職間で徘徊高齢者の情報共有シートを作成したり、本人・家族の同意を得て地域で見守りネットワークを作るとします。そうすることで、重大な事件にまで発展することが予防できるといった、個別ケースでの対応方法を確立することが出来るようになります。
このように、個別ケースを通じて、高齢者個人に対する支援の充実を図ることが地域ケア会議の一つの目的となります。
②それを支える社会基盤の整備
こちらは、個別ケースの問題自体を解決するという訳でなく、地域の社会基盤を整備して解決を行なうという、どちらかといえば間接的なアプローチ方法となります。
先ほどの例のように、認知症高齢者の徘徊問題について、元気なうちから地域で顔の見える関係性を築けるような、住民が交流する機会を作ったり、地域で認知症予防の運動活動を始めたりするといった、社会の仕組みを整備することが、それを支える社会基盤の整備となります。
上記2つの視点で地域包括ケアシステムの構築を行なっていくのですが、現在は週1回以上30分程度の介護予防活動を行なう、「地域づくりによる介護予防推支援進事業」であったり、
※地域づくりによる介護予防推進事業の詳細
→
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生活支援コーディネーター及び協議体が地域住民主体による助け合い活動を推進する「生活支援体制整備事業」が主な役割を担うことが予測されます。
※生活支援体制整備事業の詳細
→
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このような時代の流れを見ると、今後の地域ケア会議では、どちらかというと、①高齢者個人に対する支援の充実に力を入れた地域づくりを展開して行く事が望ましいと私は考えています。
地域ケア会議の基礎2 5つの機能
地域ケア会議を理解する上で外せないのが、地域ケア会議の5つの機能となります。
1.個別課題解決機能
2.ネットワーク形成機能
3.地域課題発見機能
4.地域づくり・資源開発機能
5.政策形成機能
詳しくは ↓
地域包括ケアシステム.com/tiikikeakaigi-5kinou/
わかりやすく例で例えると、先ほどの認知症高齢者の徘徊対策を地域ケア会議でテーマとして挙げ、意見を出し合い、解決策を出しましたよね。
専門職種間で、様々な視点から意見を出し合うことで解決方法を導き出すことで、1.個別課題解決機能が発揮されます。
また、専門職種同士がお互いの顔を見ながらケース検討を行なう事で、連携が深まり、2.ネットワーク形成機能が発揮されることとなります。
そして、その次の3.地域課題発見機能に発展する例として、地域全体を見てみた場合、「認知症高齢者の徘徊」があなたの担当地域で年に何回も起こっていたとします。
中には、行方不明になったり帰らぬ人となるといった深刻な問題に発展するケースすら出ているとします。
その場合、あなたの担当地域で「認知症高齢者の徘徊」に対する予防や対策が出来ておらず、重大な事件にまで発展するという「地域課題」が見えてきます。それが地域課題発見機能となります。
また、個別課題発見機能で見出した解決策を実践し、結果を出すことで、個別ケースでの対応方法を確立出来るようになります。
その解決策を、個別レベルから、地域全体で共有して地域レベルで実践を行なうということが、4.地域づくり・資源開発機能となります。
最後の5.政策形成機能とは、先ほどの4.地域づくり・資源開発機能では、実現できないような取組み、例えば認知症徘徊GPSを予算化するなど、政策を形作らないと出来ない取組みを実現させることが政策形成機能となります。
地域ケア会議の基礎3 地域ケア会議開催規模
地域ケア会議の5つの機能が理解できたら、その次は地域ケア会議の開催規模を知ることが必要になります。
地域ケア会議の開催規模は3つに分かれており①個別事例②日常生活圏域③市町村・地域全体という3つの開催規模があります。
流れ的には2つの流れがあります。
例えば、個別事例で解決策を導き出した(徘徊情報共有シートを本人の為に使用)ものを、日常生活圏域で情報共有し(日常生活圏域全体で徘徊情報共有シートを使用するようになる)最後に、市町村・地域全体という広い圏域で情報共有し、市として徘徊情報共有シートを制作し市レベルの取組みにする、という流れになります。
流れを図で示すと
個別→日常生活圏域→市町村・地域全体 となります。
その逆に、市町村・地域全体の地域ケア会議で先進的な取組みを知ったあなたが、自分の日常生活圏域で、その取組みの情報を共有するために地域ケア会議を開催して、あなたの日常生活圏域で取組みを広めます。
すると、参加した方々が、自分たちの個別ケースで、その取組みを取り入れる。
そのような、成功事例を学び、自分たちの日常生活圏域に取り入れるといった流れがあります。
流れを図で示すと
市町村・地域全体→日常生活圏域→個別 となります。
このように、自分たちの成功事例を地域全体で共有したり、逆に、先進的な取組みを自分たちの地域に取り入れる。
もしも政策形成が必要なら、政策形成までつなげることが出来る可能性があるのが、地域ケア会議となります。
いかがでしょうか?地域ケア会議の基礎とその可能性は伝わりましたか?
効果的な地域ケア会議を開催するには?
このように、色々と地域ケア会議を語っていますが、私自身、地域包括支援センターの所長として1年半、全く地域ケア会議の本質が理解できていませんでした。
サービス担当者会議の参加者を豪華にしただけの会議だったし、年に4回以上開催しないといけないので、そのノルマを解消する為の会議だったと思います。
恥ずかしながら「会議をすることが目的の会議」という時期を過ごしていました。
こんな私でも、あるきっかけを境に、効果的な地域ケア会議を開催することが出来るようになりました。
次回は、私が地域ケア会議を効果的に出来るようになったきっかけについてお話をしたいと思います。
地域ケア会議という素晴らしい環境をどう使っていますか?
こんにちは、成冨です。
本地域ケア会議は素晴らしい環境だという事実を知っていますか?
地域ケア会議は、サービス担当者会議に、弁護士や民生委員など、普段呼ばない方を呼べばいいんじゃないの?と思われている方が多くおられます。
私はそのような理解で地域ケア会議を留めている方について、実にもったいないな、と思っています。
地域ケア会議を調理に例えてみましょう。
最先端のシステムキッチン、世界有数の職人が作り上げた包丁やスライサーなどの調理器具、そして最高の食材。
これら最高の環境が整っていれば、最高の料理ができますか?という事です。
答えは「NO」ですね。
それら最高の環境であっても、
1.基礎(料理の基本) を理解していないと料理自体が出来ません。
そして、料理の基本を理解した後に
2.最高のレシピ(作り方) のノウハウを知らないと最高の料理が出来ません。
このことを地域ケア会議に置き換えて考えてみましょう。
あなたは地域ケア会議の目的や5つの機能を他の人に説明できるくらい理解はしていますか?
あなたはご存知かもしれませんが、多くの専門職の方でさえ、地域ケア会議の基本を理解していないのが現状だと思います。
それは、料理の基本を知らないのと同様だと私は思います。
地域ケア会議は素晴らしい環境である理由
地域ケア会議は、「地域包括ケアシステム実現に向けた会議」という名目で、参加者の範囲を制限されること無く呼びかける事ができ、他職種が膝を突き合わせて会議が行なえるんですね。
住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される為に、参加者の範囲を制限されること無く会議が出来る機会って地域ケア会議以外無いですよね?
しかも、この地域ケア会議は国が法律に明記(介護保険法115条の48)し、推進している事業です。
ここまで追い風で後押ししてくれている会議は他に無いですし、活用次第では、あなたの目指す地域づくりを実現できるようになります。
地域ケア会議の現状を図る質問
もし、機能的に会議を行う事が出来るようになれば、先進的な取組みを行い実績を残して先進事例取組みとして壇上の上で発表している「あのすごい市町村」のような地域づくりを実現できる会議なのです。
ですが、残念ながらその機能を十分に発揮している所はどれくらいあるのでしょうか?
統計的な数字は出ていませんが、私はこの質問をした後に出てくる答えで、どれくらい機能を発揮できているのか図ることができると思っています。
その質問とは・・・
「地域ケア会議で地域づくり・資源開発はどれくらいできましたか?」
という問いです。
「いやいや、地域課題を発見している段階です」
「月に1回、地域の高齢者が集まる機会を作る会議を行ないました」
というレベルなら、一度歩みを止めて、地域ケア会議の勉強をおさらいする必要があります。
地域包括ケアシステムの構築のめどは2025年と設定されています。
あくまで期間が設定されており、もしも構築できなければ、あなたが担当する地域住民が他市町村に比べ、著しく貧しい支援しか受けられないことになり、それは現実に起こり得ることです。
これから数日かけて、地域ケア会議の
1.基礎(地域ケア会議の基本)
について記事を書きたいと思います。
参考にして頂けますと幸いです。
大阪研修に行って感じたこと
飛行機で大阪へ。
僕は先週末に講師ではなく受講生として研修会に参加した。
最近は講師側の仕事ばかりしていたので、受講するのはとても新鮮な感覚だ。実はといえば、今回参加した研修会は介護福祉業界ではなく、どちらかといえばITやマーケティングに関するものだ。
日本はもちろん、世界的にも爆発的にスマホの台頭により、インターネット環境が整ってきている。そして、インターネットを利用することで僕らの生活は大きく豊かになってきている。
例えば、自動運転。これが実現すれば事故リスクが減少し、高齢者の移動や買物の問題が解決しやすくなる。
また、これまでは講演やセミナーもしくは高額な期間契約のコンサルティングでしか、実践的な地域づくりを学ぶことが出来なかったものが、インターネットを利用することで、時間や場所を選ばずに、低額で多くの方が学ぶことが出来るようになる。
これは介護業界以外の教育ビジネスの場では一般的なものであり、子供の学習塾も大手はほとんどが名物講師の先生のオンライン学習を主にしており、その上でわからない所を、個別でその地区の先生が教えるという形だ。
うん。そのような感じで色々な業界がインターネットを利用し、学習効率が上がっている。
介護福祉業界が特に遅れているというわけではなく、学習業界以外の業界は皆遅れている様子だ。
多分、このような仕組みはこれからも発展するだろうし、VRを使えば、実技的なものも自宅で学習できる時代となるだろう。
それも、遠くない未来に、だ。
だが、僕ら福祉専門職は2025年までに最低でも要支援レベルの方々は住民主体の助け合い活動で支えあう社会を作らなければならない。
残すは約8年。僕らは地域づくりの成功事例を元に、再現性の高いマニュアルを作り、インターネットを活用し、共有しなければ日本全国で大きな格差が生まれるのだと思うし、下手したら、
「我が事・丸ごと」地域共生社会実現本部を解説
「我が事・丸ごと」地域共生社会実現本部って知っていますか?
日本の福祉サービスの常識を大きく覆すことが厚生労働省で考えられています。
地域住民が我が事のように主体的に総活躍して助け合い
活動や自身の介護予防を推進することは、あなたは理解
されていると思いますが、厚生労働省はこのことを
「我が事」という呼び名で推進しています。既に。
そして、これまでは高齢、障がい、児童など福祉
サービスが縦割りだという問題を解決する為に、
それらのサービスを一体的に提供する為に
「丸ごと」という呼び名で推進しています。既に。
特に「丸ごと」について、興味があるかと
思いますので、一例をお伝えしたいと思います。
例えば、あなたが介護サービス、例えばデイサービスの
運営をしているとします。
今後は、あなたのデイサービスが障がい福祉サービスの
就労支援サービスの指定や、保育所の指定も、要件さえ
クリアすれば取れるようになります。
同じ場所、同じ人材でもOKです。
また、福祉系有資格者 への保育士養成課程・試験科目
一部免除など、何かしらの資格を持っていれば、他の
資格取得時の試験免除など優遇が図られるようになります。
え?そんなの嘘でしょ?と思いませんでした?
実は、これは国が決定した事項なのです。
そして、これら私達、福祉に携わる者の未来の
道標を作っているのが、厚生労働省にある
「我が事・丸ごと」地域共生社会実現本部となります。
詳しくはサイトに記事を更新したのでご確認いただければと思います。