地域ケア会議を効果的に開催出来るようになったきっかけ
昨日は、地域ケア会議の基礎を事例を踏まえてお話しました。
地域ケア会議の目的、5つの機能、開催規模という、なかなか理解することが難しいところですが、事例を踏まえてお話をしたことで、理解が進まれたのではないでしょうか?
もし、わからなかった事があったりしたら、お気軽にご連絡下さい。
昨日も述べましたが、私自身、地域包括支援センターの所長として地域ケア会議を実践し始めた最初の1年半は、地域ケア会議の本質を理解できておらず、「会議をする事が目的の会議」をしていた時期がありました。
ですが、効率的に地域ケア会議の5つの機能を発揮できるようになりました。
全ての物事にはきっかけがあるように、私が地域ケア会議のを効率手的に出来るようになったのにも、きっかけがありました。
本日は、私がブレイクスルー(突き抜ける)したきっかけについてお話をしたいと思います。
地域ケア会議広域支援員の支援
地域ケア会議が法的に位置づけられた後から、地域ケア会議のマネジメント強化事業として、市町村の地域包括支援センターに都道府県が地域ケア会議について専門的な見識を有する方を、「地域ケア会議広域支援員」として派遣する事業が行われています。
※都道府県により取組みは様々です。
幸いなことに、私が地域包括支援センターで勤務し始めた2年目の頃に、県及び広域支援員のバックアップを受けて地域ケア会議の具体的な手法を学ぶ機会を得ることができました。
合計4回の地域ケア会議についての講習及び、実際に地域ケア会議を開催した様子を見て頂き、直にアドバイスをもらうというものでした。
この広域支援員の方は、長崎県内の他市町村の中で飛びぬけた実績を持つ地域包括支援センターの所長で、机上の空論ではなく、実践的で現場目線ですぐに役立つようなアドバイスを受けることができました。
私自身、長寿開発センターが作成した200ページほどある「地域ケア会議運営マニュアル」を一応は読んでいたのですが、その本質を知ることが出来ていなかったと痛感しました。
※地域ケア会議運営マニュアル
→ http://www.nenrin.or.jp/regional/pdf/manual/kaigimanual00.pdf
受験勉強や資格試験勉強でもそうですが、テキストを見るだけでは、本質的な理解をする事ができません。
やはり、直に先生から教えを受け、わからない所をその都度に回答してもらう、自分が実践している姿を見てもらい、自分ではわかる事ができない「自分に欠けていること」の指摘を受けることが、最も最短で学びを自分の血肉にする事ができるんですね。
私は比較的に早い段階で、地域ケア会議をマスターした広域支援員の方から学ぶ機会を得たことで、ただ会議を開催することが目的だった地域ケア会議が、
自分たちが理想とする地域包括ケアシステムを実現する為のツールとして「やらされてる」立場から「主体的に利用する」立場になれたのだと思います。
翌年度、私自身が地域ケア会議広域支援員になりました。
地域ケア会議広域支援人のバックアップを受けた結果、地域ケア会議の具体的な手法及び独自の書式などを作り、佐世保市にある他の8つの地域包括支援センターに研修会を行ない、情報共有し市レベルでの地域ケア会議のレベル向上を図りました。
また、その取組みなどを評価していただき、翌年度は私自身が長崎県の地域ケア会議広域支援員となり、他市町村へ助言をさせて頂きました。
私が地域ケア会議広域支援員になり気付いたこと。
私が広域支援員になった後、地域ケア会議についての勉強会を数回受講しました。
その際に気付いた事があります。
「基本的な座学を聞くだけでは、本質を理解できず、実践力も向上しない」
この事実に気付いたのです。
いくら、座学の部分を話しても「学びになった(気がする)なぁ」という所で終わってしまい、「で、具体的な実践方法はどうすればいいの?」という根本的な疑問が出てきます。
そんな疑問を持っている時に「私の市町村ではこのような成功事例があります」という成功事例の紹介を行い終わってしまう勉強会がとても多いのだということに気付きました。
よその進んだ市町村の成功事例を参加者は聞きたいわけではなく、
「自分たちの市町村ですぐに実践できる具体的な手法が学びたい!」
その本心を他の参加者から聞きました。(それは私が思っているよりも多く)
そのような意見を聞くと
「私の所には具体的な開催予定表とテンプレートが揃っているのにな」
そう思っていました。
丁度、地域ケア会議広域支援員としてアドバイスをさせて頂いた市町村で、私が作成した開催予定表やテンプレートを提供し、実際に地域ケア会議を開催して頂きました。
結果・・・
「地域ケア会議の本質が理解できたと思います」
という喜びの声と、実際に地域づくりが始まったという結果報告を受けました。
やっぱり、地域ケア会議の開催に悩んでいる担当者は、具体的なノウハウや書式を求めている。その考えが間違っていないことを確信しました。
地域ケア会議を自らの力にする「違いをもたらす違い」
このように、地域ケア会議を効果的に開催できるようになるには、学びを自分自身の血肉に変えることが必要となります。
そこで、私が地域ケア会議の手法を学んで1年後には他市町村へ広域支援員としてアドバイスが出来るようになった理由は何かな?と考えていました。
そうすると、私は他のところが行なっていない、あることを行なっていたという
「違いをもたらす違い」を発見しました。
それでは、次回は、地域ケア会議を自分の血肉にする「違いをもたらす違い」についてお話をしたいと思います。